イーサリアムETFとは?ビットコインETFとの違いを徹底比較
この記事のポイント
イーサリアムETFは暗号資産を直接保有せず証券口座から投資できる仕組みで、2024年に米国で現物ETFが承認されました。ビットコインETFとは投資対象や値動きの特性が異なり、日本国内での上場は2027年以降が見通しです。
「イーサリアムETFという言葉をニュースで見たけれど、ビットコインETFと何が違うのか、日本から投資できるのかがわからない」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- イーサリアムETFの仕組み
- ビットコインETFとの違い
- メリットとリスク・日本国内の状況
イーサリアムETFは、暗号資産を直接保有せずに証券口座からイーサリアムへ投資できる金融商品で、2024年に米国で現物ETFの取引が始まりました。ビットコインETFとの違いや国内の法整備の状況を押さえておくことが、比較検討するうえで欠かせません。
結論として、イーサリアムETFはビットコインETFと投資対象や値動きの特性が異なり、日本国内での上場はまだ実現していません。
仕組みと違いを理解しておけば、将来国内でETFが解禁された際にも落ち着いて判断できるようになります。ここから、イーサリアムETFの基本から日本国内の見通しまで順番に見ていきましょう。
イーサリアムETFとは何か仕組みを解説
イーサリアムETFとは、イーサリアムの価格に連動する金融商品で、投資家が仮想通貨を直接保有せずに証券口座を通じてイーサリアムへ投資できる仕組みです。先行して承認されたビットコインetfと同様に、運用会社が投資家から集めた資金で実際にイーサリアムを購入・保管し、その資産価値を裏付けとして証券が発行されます。
現物ETFの基本的な仕組み
現物イーサリアムETFは、運用会社が実際にETHを購入し、認可を受けたカストディアン(資産保管業者)に保管を委託する仕組みです。たとえばブラックロックが運用するETHAは、コインベース・カストディを通じてETHを保管しています。
投資家はETFの株式を証券取引所で売買するだけで、ETHの値動きに連動した投資成果を得られます。秘密鍵の管理やウォレットの操作が不要になる点が、直接保有との大きな違いです。
米国SECによる承認の経緯
米国では2024年5月23日、証券取引委員会(SEC)が複数の証券取引所から提出されていたイーサリアム現物ETFの上場規則改正を承認しました。この承認は、将来的なリップルetfなど他のアルトコインETF承認への期待を高めるきっかけともなりました。これは取引所側の制度整備にあたる承認であり、実際の取引開始にはさらに発行者側の登録届出書の承認が必要でした。
その後2024年7月23日に登録届出書が承認され、ブラックロック、フィデリティ、グレースケール、ビットワイズ、ヴァンエック、アーク・インベスト、インベスコ・ギャラクシー、フランクリン・テンプルトンが運用する現物イーサリアムETFの取引が始まりました。先行するビットコイン機関投資家による買い集めと同様に、イーサリアム市場への大口資金の流入が期待されています。
現物ETFと先物ETFの違い
イーサリアムETFには、実際にETHを保有する現物型と、将来の価格を約束する先物取引を組み込んだ先物型があります。米国では2021年に先物ETFが先行して上場しており、現物ETFはその後を追う形で2024年に承認されました。
先物ETFは先物市場の値動きを反映するため、現物価格とのかい離が生じることがあります。現物ETFは実際のETH価格に近い値動きを目指す設計になっている点が特徴です。
主要な運用会社と取扱銘柄
現物イーサリアムETFを取り扱う運用会社は複数存在し、それぞれ手数料や運用方針が異なります。次の表に代表的な運用会社を整理します。
| 運用会社 | 特徴 |
|---|---|
| ブラックロック | 世界最大級の資産運用会社、コインベース・カストディで保管 |
| フィデリティ | 米国大手金融機関、独自のカストディ体制を持つ |
| グレースケール | 既存の信託商品からETFへ転換した運用会社 |
| ビットワイズ・ヴァンエック等 | 相対的に低い手数料設計を打ち出す運用会社が多い |
投資を検討する際は、運用会社ごとの信託報酬や取扱銘柄の違いを比較したうえで選ぶことが大切です。
イーサリアムETFとビットコインETFの違い
イーサリアムETFとビットコインETFは、どちらも仮想通貨を裏付けとする現物ETFですが、投資対象の資産や値動きの特性には違いがあります。事前に主要なビットコインetf一覧などで各銘柄のスペックを比較検討する際は、それぞれの特徴を押さえておくことが判断材料になります。
投資対象となる資産の違い
ビットコインETFはビットコインを投資対象とし、イーサリアムETFはイーサリアムを投資対象とします。ビットコインは仮想通貨の代表格として時価総額ランキング1位を維持し続けている一方、イーサリアムは2位に位置する存在です。
米国では2024年1月にビットコイン現物ETFが先行して承認され、同年7月にイーサリアム現物ETFが後を追う形で取引を開始しました。承認された時期が異なる点も、両者を比較するうえで押さえておきたい違いです。
時価総額と値動きの違い
2026年時点で、ビットコインの時価総額はイーサリアムの5倍前後の規模を維持しています。時価総額の差は市場での存在感の違いを反映しており、値動きの幅にも影響を与えます。
イーサリアムはビットコインと比べて値動きが荒くなりやすい傾向があり、価格変動リスクがより大きいとされます。将来的にイーサリアムの時価総額がビットコインに近づく可能性を指摘する専門家もいますが、これはあくまで予測であり確定した見通しではありません。
スマートコントラクト機能の有無
イーサリアムには、あらかじめ定めた条件を満たすと自動的に契約を実行する「スマートコントラクト」という機能が備わっています。この機能を土台にDeFiやNFTといった新しいサービスが生まれてきました。
ビットコインは主に価値の保存や決済手段としての性質が強く、スマートコントラクトのような複雑な機能は持ちません。イーサリアムETFに投資することは、こうした技術的な発展性への期待も含んでいる点がビットコインETFとの違いです。
ステーキング機能をめぐる違い
イーサリアムはネットワークの維持に貢献することで報酬を得られるステーキングという仕組みを持ち、ビットコインにはこの仕組みがありません。ブラックロックは2025年12月、既存のイーサリアム現物ETFにステーキング機能を追加する登録届出書を米SECへ提出しました。
提案されている仕組みでは、保有するイーサリアムの70から90パーセントをステーキングに回し、年間3パーセント程度の利回りを見込む試算が示されています。ただしステーキングサービスが証券取引に該当するかどうかについて、米規制当局はまだ明確な判断を示していません。
イーサリアムETFのメリットとリスク
イーサリアムETFには、直接保有と比べたメリットがある一方で、押さえておくべきリスクも存在します。投資を比較検討する際は、両方の側面を把握したうえで判断することが欠かせません。
直接保有と比べたメリット
イーサリアムETFの大きなメリットは、暗号資産を直接保有しないことでセキュリティリスクを軽減できる点です。秘密鍵の管理やウォレットの操作が不要になり、ハッキングや紛失による資産流出のリスクを避けられます。
証券口座さえあれば購入できるため、投資のハードルが低くなる点もメリットです。既存の証券会社の仕組みを使えるので、新たに仮想通貨取引所の口座を開設する手間も省けます。
価格変動リスク
イーサリアムは現物ETFへの資金流入や大型アップデートへの期待感から、短期間で価格が大きく変動してきた実績があります。2025年には過去最高値を更新した一方、2026年に入ってからは資金の純流出が続く局面も見られました。
わずか1か月ほどで価格がおよそ半分になるような急落も起きており、値動きの荒さはイーサリアムETFに投資するうえで大きなリスク要因といえます。ビットコインと比べても値動きの幅が大きい傾向がある点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
規制リスク
イーサリアムETFをめぐる規制は国や地域によって異なり、規制方針の変更が運用に影響を与える可能性があります。米国では制度整備が先行していますが、他国では上場自体が認められていない地域も多く、投資できる範囲は規制環境によって左右されます。
規制環境は今後も変化する見通しであり、承認された制度が将来にわたって同じ形で維持される保証はありません。最新の規制動向は継続して確認しておくことをおすすめします。
流動性と市場リスク
イーサリアムETFは、ビットコインETFと比べて取引量が少ない傾向があります。取引量が少ないと、希望するタイミングや価格で売買しづらくなる場面が生じやすくなります。
管理手数料はおおむね0.1から0.5パーセント程度発生し、ETFの価格とイーサリアムの実際の価格にわずかな乖離が生じることもあります。こうした費用面や価格差も、投資判断における確認事項の一つです。
イーサリアムETFの日本国内の状況と今後の見通し
2026年7月現在、日本国内の証券取引所ではイーサリアムETFを取引できません。米国や香港で現物ETFが上場している状況と比べると、日本は数年単位で対応が遅れているのが実情です。
日本国内で購入できない理由
日本の金融商品取引法では、暗号資産はこれまでETFとして上場できる対象に含まれていませんでした。暗号資産は資金決済法上の扱いとなっており、株式や投資信託とは異なる法的な枠組みに置かれてきたことが背景にあります。
このため国内の証券会社を通じてイーサリアムETFを購入することは、現時点ではできません。投資を検討する場合は、海外の取引所や証券会社を利用する必要があります。
国内における法整備の動き
暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正案は、2026年6月11日に衆議院を通過しました。施行されれば、暗号資産は株式やFX取引などの派生商品と同列の枠組みで扱われることになります。
金融庁は暗号資産ETFの解禁と税制改正の同時施行に向けた調整を進めており、実現すればETFを通じた投資利益は申告分離課税に一本化される見通しです。現行の雑所得としての総合課税から扱いが変わる点は、投資家にとって大きな変化になります。
今後の見通しと投資家が取れる選択肢
暗号資産ETFの国内解禁は、早ければ2027年、金融庁の方針としては2028年をめどに実現する見通しが示されています。野村ホールディングスやSBIホールディングスなど国内金融機関も商品開発の検討を進めており、解禁後は資産運用の選択肢が広がると見込まれます。
ただし解禁時期はあくまで見通しであり、法改正の施行状況によって前後する可能性があります。国内解禁を待つ間は、制度整備の動向を継続して確認しながら、情報収集を続ける姿勢が大切です。
まとめ:イーサリアムETFはビットコインETFとの違いを踏まえて判断する
本記事では、イーサリアムETFの仕組みから、ビットコインETFとの違い、メリットとリスク、日本国内の状況までを解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 現物ETFは実際のETHを保管して運用される仕組み
- ビットコインETFとは投資対象や値動きの特性が異なる
- 日本国内の上場は2027年以降が見通しとされる
本記事を読むことで、イーサリアムETFとビットコインETFの違いを理解し、値動きの特性やリスクを踏まえた比較検討ができるようになります。
イーサリアムETFや今後の暗号資産ETFの動向について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
イーサリアムETFに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
B2B特化のブロックチェーン・暗号資産メディア「Crypto With」の編集部。金融機関やIT企業の意思決定者向けに、国内外の最新技術トレンドや日本の法規制動向など、導入判断に直結する客観的なデータに基づく信頼性の高い実務情報を発信しています。
監修者
リサーチチーム
「Crypto With」のコンテンツ監修・リサーチを専門に行う調査チーム。国内外の金融規制や暗号資産市場の動向を追う専門家で構成され、データと根拠に基づく客観的な分析レポート、日本の複雑な法規制の解説を提供。金融機関・IT企業の意思決定に必要な情報を信頼性重視で発信します。
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