ビットコインETFとは?仕組みと買い方・日本での現状を解説
この記事のポイント
ビットコインETFは証券口座から間接的にビットコインへ投資できる上場投資信託で、米国は2024年1月にSECが現物ETFを承認した。日本は2026年7月時点で購入できないが、金融商品取引法の改正を経て解禁が見込まれている。
「米国でビットコインETFが承認されたと聞いたけれど、日本の証券口座からも同じように買えるのか知りたい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- ビットコインETFの仕組みと現物・先物の違い
- 米国での承認の経緯と主要銘柄
- 日本での購入可否と解禁に向けた法改正の動き
結論から言うと、2026年7月時点で日本の証券会社からビットコインETFを直接購入することはできません。ただし金融庁による法改正が進んでおり、解禁に向けたスケジュールも徐々に見えてきています。
本記事を読めば、ビットコインETFの仕組みから日本での最新の法整備状況、今すぐ取れる代替手段まで一通り理解できます。仕組みの基本から順番に見ていきましょう。
ビットコインETFとは何か仕組みを知る
ビットコインETFとは、ビットコインの値動きに連動するように設計された上場投資信託です。証券取引所に上場しているため、株式と同じように証券口座から売買できます。
仮想通貨取引所に新たに口座を開く必要がなく、既存の証券口座で投資を完結できる点が最大の特徴です。
ETFの基本的な仕組み
ETFはExchange Traded Fundの略で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。運用会社が投資家から集めた資金で株式や債券などの資産を運用し、その持分を証券取引所で売買できるようにした金融商品です。
一般的な投資信託は1日に1回だけ価格が決まりますが、ETFは株式と同じく取引時間中はリアルタイムで価格が変動します。指値注文や成行注文も可能で、市場が開いている間はいつでも売買のタイミングを選べます。
ビットコインETFの場合、運用会社が実際にビットコインを保有し、その価値に連動する形でETFの株式を発行します。投資家はETFの株式を購入するだけで、間接的にビットコインの値動きに投資できる仕組みです。
ビットコインETFが投資家に選ばれる理由
ビットコインETFが注目される理由は、暗号資産特有の管理の手間から解放される点にあります。ビットコインを直接購入する場合、秘密鍵の管理やウォレットのセキュリティ対策が欠かせません。
ビットコインETFでは、運用会社と契約したカストディアンと呼ばれる管理の専門機関がビットコインを厳重に保管します。投資家自身が秘密鍵を管理する必要はなく、ハッキングや紛失といったリスクへの不安を減らせます。
さらに証券口座で取引が完結するため、確定申告や資産管理においても株式や投資信託と同じ枠組みで扱いやすくなる点も選ばれる理由のひとつです。
暗号資産取引所を使う投資との違い
暗号資産取引所でビットコインを購入する場合と、ビットコインETFで投資する場合には、いくつかの違いがあります。次の表で主な違いを整理します。
| 比較項目 | 暗号資産取引所での現物購入 | ビットコインETF |
|---|---|---|
| 保有方法 | 自分のウォレットや取引所口座で保有 | 運用会社が保有し株式として間接保有 |
| 取引時間 | 24時間365日 | 証券取引所の取引時間内のみ |
| 必要な口座 | 暗号資産取引所の口座 | 証券口座 |
| 秘密鍵の管理 | 必要な場合がある | 不要 |
暗号資産取引所での現物購入は24時間いつでも売買できる自由度が魅力です。一方でビットコインETFは取引時間が限られるものの、証券口座という使い慣れた環境で投資できる安心感があります。
どちらを選ぶかは、管理の手間と取引の自由度のどちらを優先するかによって変わってきます。
現物ETFと先物ETFの違いを理解する
ビットコインETFには現物型と先物型という2つのタイプがあります。どちらもビットコインの値動きに連動する商品ですが、裏付け資産の持ち方が異なるため、リスクやコストの性質も変わってきます。米国ではこれらのビットコインETFに加え、イーサリアムetfやリップルetfといった他の暗号資産現物ETFも登場・申請されており、市場の選択肢は広がりつつあります。ここでは現物型と先物型の仕組みと選び方を整理します。
現物ETFの仕組みと特徴
現物ETFは、運用会社が実際にビットコインそのものを購入し、専門の管理機関に保管させることで運用する仕組みです。ビットコインの現物価格がそのままETFの価値に反映されるため、価格の連動性が高く、値動きがわかりやすいという特徴があります。
先物取引のような限月の乗り換えが発生しないため、長期間保有してもロールオーバーに伴う追加コストが生じにくい点もメリットです。ビットコインの値上がり益を素直に取り込みたい投資家に向いている仕組みといえます。
先物ETFの仕組みと特徴
先物ETFは、ビットコインそのものではなく、シカゴ・マーカンタイル取引所などで取引されるビットコイン先物契約を組み入れて運用します。米国では2021年10月にProShares Bitcoin Strategy ETFが先物ETFとして世界で初めて取引を開始しました。
先物ETFは、契約の期限が来るたびに次の限月へポジションを乗り換えるロールオーバーを繰り返します。先物価格が現物価格より高いコンタンゴと呼ばれる状態が続くと、乗り換えのたびに損失が積み重なるロールコストが発生し、長期的には現物価格との乖離が広がりやすくなります。
現物と先物どちらを選ぶべきか
現物ETFと先物ETFにはそれぞれ異なる特徴があります。次の表で主な違いを比較します。
| 比較項目 | 現物ETF | 先物ETF |
|---|---|---|
| 裏付け資産 | ビットコイン現物 | ビットコイン先物契約 |
| 価格連動性 | 高い | ロールコストで乖離しやすい |
| 追加コスト | 発生しにくい | ロールオーバー費用が発生する場合がある |
| 米国での取引開始 | 2024年1月 | 2021年10月 |
長期的にビットコインの値上がり益をコストを抑えて取り込みたい場合は現物ETFが適しています。一方で先物ETFは現物ETFが存在しない期間に唯一の選択肢だった経緯もあり、現物ETFが承認された現在では現物型を選ぶ投資家が中心になっています。
米国のビットコインETF承認の経緯と主要銘柄
米国でビットコインETFが実現するまでには、長い規制上の攻防がありました。ここでは承認までの流れと、現在の主要な運用会社について整理します。
2024年1月のSEC承認までの流れ
米国証券取引委員会は、長年にわたりビットコイン現物ETFの上場申請を却下し続けてきました。転機となったのは2023年8月、グレースケール・インベストメンツが起こした訴訟です。
連邦控訴裁判所は、先物ETFを認めながら現物ETFを不承認とするSECの判断を恣意的だと結論づけ、SEC側が敗訴しました。
この判決を受け、SECは方針転換を迫られます。そして2024年1月10日、SECはブラックロックやフィデリティなど複数の運用会社が申請していたビットコイン現物ETF11本を同時に承認しました。
翌1月11日には各銘柄の取引が一斉に始まり、暗号資産市場にとって歴史的な節目となりました。
主要な運用会社と銘柄一覧
承認された11銘柄のうち、特に規模が大きいのがブラックロックのIBIT(iShares Bitcoin Trust)とフィデリティのFBTC(Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund)です。詳細なビットコインetf一覧を比較すると、両者の経費率はそれぞれ0.25%程度であり、他の銘柄を含めて手数料や信託報酬の引き下げ競争が続いています。
このほか、未上場のビットコイン投資信託からETFへ転換したグレースケールのGBTC、ARK 21Shares、Franklin Templeton、Invesco、VanEck、WisdomTreeなども承認銘柄に含まれます。IBITは取引開始から2年余りで運用資産が数百億ドル規模まで拡大し、ビットコインETF市場全体をけん引する存在になっています。
承認後の資金流入と市場への影響
ビットコインETFの承認後、ビットコイン機関投資家の資金がビットコイン市場に流れ込み、価格形成にも大きな影響を与えました。ただし資金の流れは常に一方向ではありません。
2026年上半期には複数のファンドから資金が流出する局面もあり、6月には取引開始以来最大となる月間の資金流出を記録しました。
一方で、2026年7月に入ると、資金流入が回復する兆しも見られています。ビットコインETFへの資金フローは、金利動向や他の投資対象への資金シフトなど複数の要因に左右されるため、短期的な流出入だけでなく中長期的な資産残高の推移を見ていく視点が欠かせません。
日本でビットコインETFは買えるのか
米国でビットコインETFの取引が始まった一方、日本の投資家が同じように証券口座から購入できるかどうかは別の問題です。ここでは2026年7月時点の状況と、解禁に向けた法改正の動きを整理します。
2026年7月時点の購入可否
2026年7月時点で、日本の証券会社を通じてビットコインETFを直接購入することはできません。現行の投資信託法施行令では、投資信託が投資できる特定資産に暗号資産が含まれていないため、日本国内でビットコインetfどこで買えるかを探す場合は、現在の規制状況や海外口座・代替手段を正しく把握しておく必要があります。
そのため国内の証券会社は、米国で上場しているビットコインETFの取り扱いを行っていません。日本の投資家がビットコインに投資するには、暗号資産取引所で現物を購入するか、海外の証券口座を利用する方法が現実的な選択肢になります。
金融庁の法改正と解禁に向けた動き
金融庁は暗号資産を取り巻く規制の枠組みを見直す作業を進めています。金融審議会の暗号資産制度に関するワーキング・グループがまとめた報告をもとに、暗号資産を資金決済法ではなく金融商品取引法の規制対象として位置づけ直す法案が、2026年4月10日に第221回国会へ提出されました。
この法案は同年中に衆議院を通過しており、成立すれば暗号資産は株式や為替証拠金取引と同様に金融商品として扱われることになります。あわせて2025年12月26日に公表された令和8年度税制改正大綱では、暗号資産の利益に対する課税方式を、現行の総合課税から申告分離課税へ見直す方針と、投資信託法施行令の改正を前提にビットコインETFなどの暗号資産ETFを組成可能とする方針が明記されました。
解禁時期の見通しとスケジュール
法案は成立から1年以内に施行される見通しで、専門家の間では2027年中の施行が有力視されています。ただし投資信託法施行令の改正や税制改正の詳細な制度設計は、2026年7月時点でまだ確定していません。
ビットコインETFが実際に組成され、国内の証券口座で購入できるようになるまでには、法律の施行に加えて関連する政令や税制の整備を待つ必要があります。国内大手証券会社は暗号資産を組み入れた投資信託の取り扱いに向けた準備を進めているとされ、解禁後の動きにあわせて情報を追っておくことが重要です。
ビットコインETFのメリットと注意点
ビットコインETFには、暗号資産の現物購入とは異なるメリットがある一方で、押さえておきたい注意点もあります。両方の側面を確認しておきましょう。
証券口座で投資できるメリット
最大のメリットは、すでに持っている証券口座からビットコインに投資できる点です。暗号資産取引所での口座開設や本人確認の手続きを新たに行う必要がなく、株式や投資信託と同じ感覚で売買できます。
また運用会社と契約したカストディアンがビットコインを保管するため、投資家自身が秘密鍵を管理する必要がありません。ハッキングやウォレットの操作ミスによる資産流出のリスクを避けられる点も、暗号資産の取り扱いに不安がある投資家にとって大きな安心材料です。
税制面で見たメリットと課題
現行の日本の税制では、暗号資産取引所を通じたビットコインの利益は雑所得に分類され、給与などほかの所得と合算する総合課税の対象です。所得税と住民税をあわせた税率は最大55%に達し、損失が出ても他の所得と相殺したり翌年以降に繰り越したりすることはできません。
一方、株式や投資信託の売却益に適用される申告分離課税は、所得の大きさにかかわらず税率が一律で、損失の繰越控除も認められています。日本でビットコインETFが解禁される際には、この申告分離課税が適用される方向で税制改正が進められており、実現すれば現物取引と比べて税負担が軽くなる可能性があります。
ただし2026年7月時点では制度の詳細は確定していません。
価格変動リスクと手数料の注意点
ビットコインETFはビットコインの価格に連動する商品であるため、ビットコイン相場が大きく変動すれば、ETFの価格も同じ方向に大きく動きます。株式や債券と比べて値動きの幅が大きい点は、現物のビットコインと変わりません。
さらにETFには信託報酬などの管理コストがかかります。米国の主要銘柄では経費率が0.2%台まで引き下げられた一方、グレースケールのGBTCのように1%を超える経費率を設定している銘柄もあります。
長期で保有するほど手数料の差が資産額に影響するため、銘柄選びの際にはコストの比較も欠かせません。
日本で暗号資産に投資する現実的な方法
ビットコインETFの解禁を待つ間も、日本の投資家がビットコインに関わる方法はいくつかあります。ここでは今すぐ取れる現実的な選択肢を紹介します。
国内取引所でビットコインを購入する
もっとも直接的な方法は、金融庁に登録された国内の暗号資産取引所でビットコインを現物購入することです。口座開設に必要なものは、メールアドレス、本人確認書類、入金用の銀行口座の3点だけで、スマートフォンで本人確認を行えば最短10分ほどで手続きが完了する取引所もあります。
口座開設後は銀行振込やインターネットバンキングで日本円を入金し、そのままビットコインの購入に進めます。ビットコインETFとは異なり24時間365日いつでも取引できるため、価格の動きにあわせて機動的に売買したい人にも向いています。
投資信託で仕組みに慣れておく
暗号資産そのものへの投資に不安がある場合は、ブロックチェーン関連企業に分散投資する投資信託から始める方法もあります。こうしたファンドはNISAの成長投資枠で購入できるものもあり、税制優遇を受けながら暗号資産関連の値動きに触れられます。
ビットコインを直接保有するわけではないため値動きの連動性はETFほど高くありませんが、証券口座での投資に慣れる練習として活用できます。まずは少額の投資信託で運用の感覚をつかみ、将来ビットコインETFが解禁された際にスムーズに移行できるよう準備しておくのもひとつの考え方です。
今後の情報収集の方法
ビットコインETFの解禁時期は、金融商品取引法の改正案の成立状況や投資信託法施行令の改正、税制改正の詳細によって左右されます。金融庁が公表する審議会の資料や、証券会社が発信するレポートを定期的に確認しておくと、制度変更のタイミングを見逃しにくくなります。
あわせて、利用している証券会社や暗号資産取引所が新しい商品の取り扱いについてどのような準備を進めているかも、あわせてチェックしておくとよいでしょう。
まとめ:ビットコインETFは今できる準備から始める
本記事では、ビットコインETFの仕組みや現物ETFと先物ETFの違い、米国での承認の経緯と主要銘柄、日本での購入可否と法改正の動きを解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- ビットコインETFは証券口座から間接的に投資できる商品
- 米国では2024年1月に現物ETFが承認され市場が拡大した
- 日本では法改正の進行中で解禁時期はまだ確定していない
ビットコインETFの仕組みと日本の法整備の現状を理解することで、思い込みで判断せず、解禁を見据えた準備を計画的に進められるようになります。
この記事の内容が投資判断の一助になれば幸いです。
ビットコインETFに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
B2B特化のブロックチェーン・暗号資産メディア「Crypto With」の編集部。金融機関やIT企業の意思決定者向けに、国内外の最新技術トレンドや日本の法規制動向など、導入判断に直結する客観的なデータに基づく信頼性の高い実務情報を発信しています。
監修者
リサーチチーム
「Crypto With」のコンテンツ監修・リサーチを専門に行う調査チーム。国内外の金融規制や暗号資産市場の動向を追う専門家で構成され、データと根拠に基づく客観的な分析レポート、日本の複雑な法規制の解説を提供。金融機関・IT企業の意思決定に必要な情報を信頼性重視で発信します。
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