ステーキングの税金はいくらから?計算方法と確定申告を解説

税務・会計

この記事のポイント

ステーキング報酬は受け取った時点の時価で雑所得として課税され、給与などと合算した総合課税の対象になる。会社員は年間20万円、被扶養者は48万円を超えると確定申告が必要で、2028年からは申告分離課税への移行が見込まれる。

ステーキングの税金はいくらから?計算方法と確定申告を解説

「ステーキング報酬を受け取っているけれど、日本円に換えていないのに税金がかかるのか分からず、確定申告が必要かどうか判断できずに不安」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • ステーキングの税金が発生する仕組みとタイミング
  • 報酬の税金の計算方法と確定申告が必要になる基準
  • 税金を抑える節税の方法と今後の税制改正の見通し

ステーキング報酬は雑所得として、受け取った時点の時価で課税対象になります。

本記事を読み進めることで、複雑に感じる計算方法や確定申告の手順まで整理して理解でき、申告漏れの不安を抱えずにステーキングへ取り組めるようになります。

ステーキングの税金が発生する仕組み

ステーキングの税金は、報酬を受け取った時点で発生します。日本円に換金していなくても課税対象になる点が、仮想通貨税金を考えるうえで最初に押さえておきたいポイントです。

ステーキングとは仮想通貨を預けて報酬を得る仕組み

ステーキングとは、保有する仮想通貨をネットワークに預け入れ、その対価として報酬を受け取る仕組みです。ブロックチェーンの取引承認に協力する見返りとして、預けた通貨の種類や数量に応じた報酬が支払われます。

イーサリアムなどプルーフ・オブ・ステーク方式を採用する仮想通貨で広く利用されており、預けるだけで一定の利回りを得られる点が特徴です。取引所のサービスを使えば、専門知識がなくても手軽に始められます。

税金がかかる2つのタイミング

ステーキングの税金は、報酬を受け取ったときと、その報酬を売却したときの2つの場面で発生します。それぞれ課税の考え方が異なるため、混同しないことが大切です。

報酬を受け取った時点では、その時の時価に基づいて所得が計算されます。その後、受け取った仮想通貨を売却して利益が出れば、売却時にも改めて課税される仕組みです。

ステーキング報酬は雑所得として総合課税される

ステーキングで得た報酬は、原則として仮想通貨雑所得に区分されます。給与所得など他の所得と合算し、所得金額に応じた税率をかける総合課税の対象です。

所得税は5パーセントから45パーセントの累進課税で、住民税10パーセントを加えると、最も高い区分では合計55パーセントに達します。株式やFXのように一律の税率で計算される分離課税とは仕組みが異なります。

課税方式対象税率の考え方
総合課税ステーキング報酬などの雑所得他の所得と合算した累進課税
申告分離課税上場株式、FXなど一律の税率で計算

保有しているだけでは税金はかからない

ステーキングの税金で誤解されやすいのが、仮想通貨持ってるだけ税金がかかるかのように保有し続けているだけでも税金がかかると考えてしまう点です。値上がりしていても、受け取った時点の時価がそのまま所得として確定します。

売却して現金化していないからといって申告を後回しにすると、納税資金が用意できずに困るケースもあります。受け取った時点で所得が発生する認識を持ち、早めに記録を残しておくことが大切です。

ステーキング報酬の税金の計算方法

ステーキングの税金を正しく計算するには、報酬を受け取った時点の所得と、その後売却したときの所得を分けて把握する必要があり、この考え方はdefi税金のレンディング報酬とも共通します。ここでは具体的な計算の流れを見ていきましょう。

受け取り時点の時価で所得を計算する

ステーキング報酬の所得は、受け取った時点の時価を日本円に換算して求めます。取引所が提供する年間取引報告書のレートを使うのが、実務上の仮想通貨税金計算の一般的な方法です。

例えば1回目に0.3ETHを1ETH30万円のときに受け取り、2回目に0.04ETHを1ETH32万円のときに受け取った場合、それぞれの時価で円換算した金額を合計して年間の所得を求めます。その後売却して現金化すれば仮想通貨現金化税金が別途発生するため、受け取るたびに記録しておくと年末の集計がスムーズになります。

総平均法で取得単価を計算する

受け取ったステーキング報酬をその後売却する場合は、暗号資産会計処理の一環として総平均法で取得単価を計算します。総平均法とは、1年間に取得した仮想通貨の合計金額を合計数量で割り、平均単価を求める方法です。

例えば年初に1ETHを25万円で購入し、年間で0.5ETHの報酬を15万円相当で受け取った場合、合計1.5ETHの取得総額は40万円になります。平均取得単価は40万円を1.5ETHで割った約26.7万円です。この単価をもとに、売却時の所得を計算します。

計算例で見るステーキングの所得金額

具体的な数字で見ると、ステーキングの税金の計算はイメージしやすくなります。年間で複数回報酬を受け取った場合の例を確認しましょう。

年間の報酬受け取り時の所得を合計した金額が、その年のステーキングによる雑所得です。国税庁が公開する暗号資産の計算書やGtax、クリプタクトなどの民間ツールを使えば、複数回の取引もまとめて計算できます。

項目内容
所得の計算式収入金額から必要経費を差し引いた金額
収入金額報酬を受け取った時点の時価の合計
使える計算方法総平均法または移動平均法

経費として計上できるもの

ステーキングの所得は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。ただし報酬を得るために預けている仮想通貨の購入代金は経費に含まれません。

経費として認められやすいのは、取引手数料や出金手数料、損益計算ツールの利用料、暗号資産に関する書籍やセミナーの費用などです。インターネット回線やパソコンの購入費用も、業務との関連性が認められれば経費にできる場合があります。判断に迷う場合は税理士や税務署に相談することをおすすめします。

ステーキングで確定申告が必要になるケースと手順

ステーキングの税金は、所得の合計額によって確定申告が必要かどうかが決まります。自分がどのケースに当てはまるかを確認しておきましょう。

会社員は年間20万円が基準

会社員など1か所から給与を受け取り、年末調整を受けている人の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。ステーキング報酬もこの給与以外の所得に含まれます。

ここでいう20万円は、仮想通貨税金いくらからの基準額にあたり、受け取った報酬の時価をもとにした所得金額です。副業や他の暗号資産取引の所得がある場合は、それらと合算した金額で判定します。

扶養に入っている人や専業主婦は48万円が基準

給与を受け取っていない専業主婦や学生などは、基礎控除の範囲を基準に考えます。ステーキング報酬を含む所得の合計が48万円を超えると、確定申告が必要になります。

扶養に入っている人は、この金額を超えると扶養から外れる可能性もあります。世帯全体の税負担や社会保険への影響も考えて、早めに所得を把握しておくと安心です。

立場申告が必要になる目安
給与所得者(年末調整あり)給与以外の所得が年間20万円超
被扶養者・所得のない人所得の合計が年間48万円超

確定申告に必要な書類と記入の流れ

確定申告そのものに提出義務のある添付書類はありませんが、国税庁の暗号資産の計算書を使って所得を算出しておく必要があります。取引所が発行する年間取引報告書をもとに、収入金額や所得金額を計算書に転記します。

計算した所得金額は、仮想通貨確定申告やり方に沿って確定申告書第一表の雑所得の欄に記入します。第二表には所得の内訳として、種目に暗号資産、取引所の名称や所在地を記載します。取引履歴のCSVファイルなどは、税務調査に備えて保管しておくことが望まれます。

  • 取引所が発行する年間取引報告書
  • 国税庁の暗号資産の計算書(総平均法用または移動平均法用)
  • 確定申告書第一表・第二表

申告しなかった場合のペナルティ

ステーキングの税金を申告しないまま放置すると、無申告加算税や延滞税といった追加の負担が生じます。無申告加算税は納付すべき税額の15パーセントから20パーセントが原則で、悪質と判断されれば重加算税40パーセントが課される場合もあります。

延滞税は納付期限の翌日から日数に応じて課され、期限から2か月以内は年2.8パーセント、それを超えると年9.1パーセントの税率です。税務調査の通知前に自主的に申告すれば軽減されるため、申告漏れに気づいた時点で早めに対応することが重要です。

ステーキングの税金を抑える節税と注意点

ステーキングの税金は、工夫次第で負担を抑えられる部分があります。損益通算ができない現行制度の制約を踏まえたうえで、できる対策を知っておきましょう。

含み損のある銘柄を売却して相殺する

同じ年の中でステーキング報酬による利益が出ている場合、含み損を抱えた銘柄をあえて売却して損失を確定させる「損出し」という仮想通貨節税の方法があります。仮想通貨同士の雑所得は相殺できるため、その年の所得を圧縮できます。

例えば報酬による所得が30万円ある年に、含み損20万円の銘柄を売却すれば、その年の所得は10万円まで下がります。損失を翌年へ繰り越せない仕組みだからこそ、利益が出た年のうちに損失を確定させる調整が有効です。

複数の取引所やDeFiで運用する場合の記録管理

複数の取引所やDeFiサービスでステーキングを行っている場合、受け取った報酬の時価をそれぞれ記録しておく必要があります。取引所ごとにフォーマットが異なる年間取引報告書を、自分で一つにまとめる作業が発生します。

損益計算ツールを使えば、複数の取引履歴を取り込んでまとめて所得を計算できます。海外の取引所やDEXでの取引も、日本の居住者であれば申告の対象になるため、取引履歴をこまめに保存しておくことが欠かせません。

損益通算と繰越控除ができない現行制度の注意点

ステーキングの所得は雑所得のため、給与所得や事業所得など他の区分の所得と損益通算することはできません。年間で損失が出ても、給与から天引きされた税金が戻るわけではない点に注意が必要です。

損失を翌年以降に持ち越す繰越控除も、現行制度では認められていません。ただし同じ雑所得同士であれば相殺できるため、複数の仮想通貨を保有している場合は年内の利益と損失のバランスを意識することが節税につながります。

今後の税制改正で見込まれる変化

2026年度税制改正大綱では、暗号資産を金融商品として位置づけ、税制を見直す方針が示されました。現行の最大55パーセントの総合課税から、株式などと同じ申告分離課税へ移す方向です。

実現すれば税率は所得税15パーセント、住民税5パーセントを合わせた一律20パーセント程度になる見通しで、損失の3年繰越控除も導入される方針です。適用開始は関連する金融商品取引法の改正が施行された翌年からで、2028年1月が有力視されていますが、国会審議の進み方によって変わる可能性があります。改正前の現行制度では引き続き総合課税が適用される点に注意が必要です。

まとめ:ステーキングの税金は報酬受け取り時に雑所得として発生する

ステーキングの税金は、報酬を受け取った時点の時価をもとに雑所得として発生し、給与などと合算した総合課税の対象になります。日本円に換金していなくても課税されるため、受け取るたびに記録を残しておくことが欠かせません。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • ステーキング報酬は受け取り時点の時価で雑所得として課税される
  • 会社員は20万円、被扶養者は48万円を超えたら確定申告が必要
  • 2028年から申告分離課税への移行が見込まれている

税金の仕組みと計算方法、確定申告の手順まで把握できたことで、余計な不安なくステーキングの運用を続けられるようになります。正しい知識をもとに申告すれば、思わぬ追徴課税を避けながら資産形成を進められます。

ステーキングの税務処理や暗号資産の事業活用について相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。

ステーキングの税金に関するよくある質問

参考文献

  1. No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係|国税庁
  2. 仮想通貨に関する所得の計算のしかた及び計算例|国税庁
  3. No.2260 所得税の税率|国税庁

執筆者

Crypto With 編集部
Crypto With 編集部

編集部

B2B特化のブロックチェーン・暗号資産メディア「Crypto With」の編集部。金融機関やIT企業の意思決定者向けに、国内外の最新技術トレンドや日本の法規制動向など、導入判断に直結する客観的なデータに基づく信頼性の高い実務情報を発信しています。

監修者

Crypto With リサーチチーム
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リサーチチーム

「Crypto With」のコンテンツ監修・リサーチを専門に行う調査チーム。国内外の金融規制や暗号資産市場の動向を追う専門家で構成され、データと根拠に基づく客観的な分析レポート、日本の複雑な法規制の解説を提供。金融機関・IT企業の意思決定に必要な情報を信頼性重視で発信します。

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