仮想通貨の税金はいくらから?計算方法と税率を初心者向け解説
この記事のポイント
仮想通貨の税金は利益が雑所得として総合課税され、給与などと合算して最大55パーセントの累進課税がかかります。売却や交換など利益が確定した時点で課税され、給与所得者は年間20万円超で確定申告が必要です。2028年からは一律20.315パーセントの申告分離課税への移行が見込まれています。
「仮想通貨で利益が出たけれど、税金がいくらからかかるのか、どう計算して確定申告すればいいのか分からない。うっかり申告を忘れて後で大きなペナルティを受けないか不安」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 仮想通貨の税金がかかる仕組みとタイミング
- 確定申告が必要になる金額の基準と計算方法
- 税率の目安と使える節税の方法
仮想通貨の利益は雑所得として総合課税され、給与などと合算した金額に応じて最大55パーセントの税率がかかります。
本記事を読み進めることで、税金の計算や確定申告の流れだけでなく、2028年から予定される申告分離課税への移行まで理解でき、安心して仮想通貨の運用に取り組めます。
仮想通貨にかかる税金の基礎知識
仮想通貨で得た利益には税金がかかります。まず押さえておきたいのは、仮想通貨の利益がどの所得に区分され、どのような方式で課税されるのかという基本の仕組みです。ここを理解しておくと、後の計算や確定申告の話がすっきり頭に入ります。
仮想通貨の利益は雑所得に区分される
仮想通貨の取引で生じた利益は、原則として雑所得に区分されます。国税庁のタックスアンサーでも、暗号資産の売却や使用による利益は雑所得に該当すると示されています。
この仮想通貨雑所得とは、給与所得や事業所得など他の9種類のどれにも当てはまらない所得のことです。公的年金や副業の収入などと同じ枠に入り、仮想通貨の利益もこの区分で申告します。
総合課税と累進課税の仕組み
雑所得は総合課税の対象です。総合課税とは、給与所得など他の所得と合算した金額に対して税額を計算する方式を指します。
合算した課税所得が大きくなるほど税率が高くなる累進課税が適用されます。所得税の税率は5パーセントから45パーセントまで7段階に分かれており、住民税10パーセントを加えると、最も高い区分では合計55パーセントに達します。株式やFXのような一律約20パーセントの分離課税とは異なる点に注意が必要です。
| 課税方式 | 対象となる主な所得 | 税率の考え方 |
|---|---|---|
| 総合課税 | 仮想通貨の雑所得、給与所得など | 合算所得に応じた累進課税 |
| 申告分離課税 | 上場株式、FXなど | 他の所得と分けて一律課税 |
仮想通貨の損失は損益通算できない
仮想通貨の損失は、給与所得や事業所得など他の区分の所得と相殺する損益通算ができません。年間で損失が出た場合の仮想通貨損失確定申告を検討しても、給与から天引きされた税金が戻るわけではない点に注意が必要です。
損失を翌年以降に持ち越す繰越控除も認められていません。ただし同じ総合課税の雑所得同士であれば相殺でき、複数の仮想通貨の利益と損失を合算する形での調整は可能です。
仮想通貨の税金が発生するタイミング
仮想通貨は保有しているだけでは課税されません。この仮想通貨課税タイミングは、利益が確定したと見なされる特定の場面に限られます。どの行為が課税対象になるのかを知っておくと、想定外の納税を避けられます。
仮想通貨を売却したとき
最も分かりやすいのが、保有する仮想通貨を日本円などに売却する仮想通貨現金化税金が発生するときです。売却価格が取得価額を上回った差額が利益となり、課税対象になります。
例えば50万円で買ったビットコインを80万円で売却した場合、差額の30万円が所得です。値上がりした状態でも、売らずに保有し続けている間は課税されません。
仮想通貨同士を交換したとき
ビットコインでイーサリアムを購入するなど、仮想通貨同士を交換したときも課税対象になります。日本円が動いていなくても、交換した時点でいったん売却したものと見なされるためです。
この仮想通貨同士の交換の税金は、交換時の時価と手放した仮想通貨の取得価額との差額が利益になります。この点は見落としやすく、DeFiでのスワップにかかるdefi税金も含め、日本円に換えていないから非課税と誤解している人が少なくありません。
仮想通貨で商品を購入したとき
仮想通貨を使って商品やサービスの代金を支払ったときも、利益が発生します。決済に使った時点の時価が取得価額を上回っていれば、その差額が課税対象です。
少額の買い物であっても、原則として利益の計算が必要になります。なお仮想通貨持ってるだけ税金がかからないのはあくまで保有中に限られるため、日常的に決済へ利用している場合は、取引の記録をこまめに残しておくことが欠かせません。
マイニングやステーキングで取得したとき
マイニングやステーキング税金が発生するレンディングなどで仮想通貨を得た場合も、取得した時点の時価が所得になります。無償でもらったエアドロップ税金も同様の扱いです。
この場合、取得時に一度所得として計上し、その後さらに値上がりして売却すれば、値上がり分に改めて課税されます。取得時の時価が、その後の売却益を計算する際の取得価額になる点を覚えておくと安心です。
仮想通貨の税金はいくらからかかるか
仮想通貨の利益がいくらから申告対象になるのかは、多くの人が気になるところです。金額の基準は、給与所得があるかどうかや扶養の状況によって変わります。所得税だけでなく仮想通貨住民税申告やり方も含めて、自分がどのケースに当てはまるかを確認しておきましょう。
給与所得者は年間20万円が目安
会社員など1か所から給与を受け取り、年末調整を受けている人の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。仮想通貨の利益もこの給与以外の所得に含まれます。
この仮想通貨税金いくらからの基準となる20万円は、売却額ではなく利益の金額です。複数の副収入がある場合は、それらを合算した金額で判定します。
扶養に入っている人や主婦の場合の基準
給与を受け取っていない専業主婦や学生などは、基礎控除の範囲を基準に考えます。仮想通貨を含む所得の合計が48万円を超えると、確定申告が必要になります。
扶養に入っている人は、この金額を超えると扶養から外れる可能性もあります。世帯全体の税負担や社会保険にも影響するため、利益が増えてきたら早めに確認しておくと安心です。
| 立場 | 申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 給与所得者(年末調整あり) | 給与以外の所得が年間20万円超 |
| 被扶養者・所得のない人 | 所得の合計が年間48万円超 |
利益が20万円以下でも申告が必要なケース
20万円以下なら申告不要というのは、あくまで所得税の話です。医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告をする場合は、仮想通貨確定申告やり方に沿って20万円以下の仮想通貨の利益もあわせて申告する必要があります。
住民税には20万円の基準がありません。所得税の申告が不要な場合でも、利益が出ていれば住民税の申告は別途必要になる点に注意が必要です。
仮想通貨の税金の計算方法
仮想通貨の所得は、nft税金の計算と同様に売却価格から取得価額を差し引いて計算します。この取得価額の求め方には総平均法と移動平均法の2種類があり、どちらを選ぶかで年ごとの所得額が変わります。計算に使える経費とあわせて理解しておきましょう。
総平均法による計算
総平均法は、1年間に購入した仮想通貨の合計金額を合計数量で割り、平均単価を求める方法です。個人が評価方法の届出をしていない場合、この総平均法が自動的に適用されます。
年間の購入額525円で3ビットコインを取得した場合、平均単価は175円です。この単価をもとに1ビットコインを200円で売却すれば、所得は25円と計算されます。この仮想通貨税金計算の考え方はまとめて計算できるため手間が少ない点が特徴です。
移動平均法による計算
移動平均法は、仮想通貨を購入するたびに、その時点までの平均単価を計算し直す方法です。実際の損益に近い数字を把握しやすい一方、購入のたびに計算が必要で手間がかかります。
移動平均法を選びたい場合は、最初に取得した年の確定申告期限までに、所轄の税務署へ評価方法の届出を提出します。一度選んだ方法は継続して使う必要があるため、取引スタイルに合った方を選ぶことが大切です。
| 計算方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 総平均法 | まとめて計算でき手間が少ない | 届出をしていない個人、取引回数が多い人 |
| 移動平均法 | 実際の損益に近く把握しやすい | こまめに損益を管理したい人 |
経費として計上できるもの
仮想通貨の利益からは、取引に直接関わった費用を経費として差し引けます。経費が多いほど課税対象の所得が減るため、漏れなく計上することが節税につながります。
主な経費として次のようなものが挙げられます。
- 売買時に支払う取引手数料や送金手数料
- 損益計算に使うツールやソフトの利用料
- マイニングにかかった電気代や機材費
- 仮想通貨の税務に関する書籍やセミナーの費用
国税庁は総平均法と移動平均法それぞれの計算書をウェブサイトで無料配布しています。取引件数が多い場合は、これらの計算書や専用ツールを使うと計算の負担を減らせます。
仮想通貨の税率と税額の目安
仮想通貨にかかる税率は、その人の所得全体で決まります。累進課税のため、利益が同じでも他の所得の大きさによって負担が変わります。ここでは税率の一覧と、利益額ごとの目安を見ていきましょう。
所得税と住民税を合わせた税率
所得税は課税所得の金額に応じて7段階の税率が定められています。ここに一律10パーセントの住民税が加わり、さらに復興特別所得税もかかります。
課税所得ごとの所得税率と控除額は次のとおりです。給与所得など他の所得と仮想通貨の利益を合算した金額で判定します。
| 課税所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5パーセント | 0円 |
| 195万円超330万円以下 | 10パーセント | 9万7500円 |
| 330万円超695万円以下 | 20パーセント | 42万7500円 |
| 695万円超900万円以下 | 23パーセント | 63万6000円 |
| 900万円超1800万円以下 | 33パーセント | 153万6000円 |
| 1800万円超4000万円以下 | 40パーセント | 279万6000円 |
| 4000万円超 | 45パーセント | 479万6000円 |
利益額ごとの税額シミュレーション
実際の税額は、他の所得と合わせた課税所得に税率をかけ、控除額を引いて求めます。給与所得がある会社員が仮想通貨で利益を得たケースで考えると分かりやすいです。
例えば給与の課税所得が400万円の人が仮想通貨で200万円の利益を得た場合、合計600万円が課税所得になります。この場合の所得税率は20パーセントで、住民税を合わせるとおおよそ30パーセント前後の負担が目安です。利益が大きくなるほど、より高い税率の区分が適用されます。
最大55パーセントになる仕組み
仮想通貨の税負担が最大55パーセントと言われるのは、所得税の最高税率45パーセントに住民税10パーセントを足した数字です。課税所得が4000万円を超える部分に対して適用されます。
この55パーセントは、あくまで最も高い区分の税率です。多くの個人投資家は所得に応じたより低い区分に収まるため、一律で半分以上を納めるわけではありません。自分の課税所得がどの区分に入るかを確認することが大切です。
仮想通貨の税金を抑える節税方法
仮想通貨の税負担は工夫次第で抑えられます。損益通算や繰越控除が使えない分、年内にできる対策を知っておくことが重要です。ここでは個人でも取り組みやすい節税の方法を紹介します。
含み損のある銘柄を売却して利益と相殺する
同じ年の中で利益が出ている場合、含み損を抱えた銘柄をあえて売却して損失を確定させる方法があります。仮想通貨同士の損益は相殺できるため、その年の所得を圧縮できます。
例えば50万円の利益がある年に、30万円の含み損がある銘柄を売却すれば、その年の所得は20万円まで下がります。損失を翌年に繰り越せない仕組みだからこそ、利益と同じ年に損失を出す調整が有効です。
必要経費を漏れなく計上する
取引手数料や計算ツールの利用料、マイニングの電気代などは経費として所得から差し引けます。経費を正しく計上すれば、それだけ課税対象が小さくなります。
経費にできる支出は、日ごろから領収書や利用明細を保管しておくことが欠かせません。仮想通貨に直接関係する費用かどうかが判断の基準になるため、私的な支出と分けて記録する習慣が役立ちます。
法人化を検討する
利益が大きくなってきた場合は、法人を設立して取引する方法もあります。法人の所得にかかる実効税率はおおむね30パーセント前後で、個人の最高税率55パーセントより低く抑えられる可能性があります。
法人であれば損失を最大10年間繰り越せるほか、経費に認められる範囲も個人より広がります。一方で設立や維持にコストがかかるうえ、個人とは異なる暗号資産の会計処理や仕訳が必要になるため、利益の規模や継続性を見極めたうえで、税理士に相談しながら判断することがおすすめです。
仮想通貨の税制改正による今後の変化
仮想通貨の税制は大きな転換点を迎えています。長年課題とされてきた高い税負担を見直す動きが進み、株式などと同じ扱いに近づける方針が示されました。ここでは2026年時点で分かっている改正の方向性を整理します。
2026年度税制改正大綱で示された方針
2026年度税制改正大綱では、暗号資産を金融商品として位置づけ、税制を見直す方針が示されました。これまで最大55パーセントの総合課税だった仮想通貨の利益を、株式などと同じ申告分離課税へ移す方向です。
改正の前提となる所得税法の改正は、2026年3月31日に成立し公布されています。ただし実際の適用には、暗号資産を金融商品として扱う金融商品取引法などの改正が必要で、その施行後に効力が生じる仕組みです。
申告分離課税への移行の見通し
申告分離課税へ移行すると、税率は一律20.315パーセントになる見通しです。所得税15パーセント、住民税5パーセント、復興特別所得税を合わせた水準で、上場株式やFXと同じ扱いになります。
適用開始の時期は、金融商品取引法などの改正が施行された翌年の1月1日以後の譲渡からとされています。現時点では2028年1月の開始が有力視されていますが、これは未確定の将来予測であり、今後の法整備の進み方によって変わる可能性があります。
| 項目 | 現在の制度 | 改正後の見通し |
|---|---|---|
| 所得区分 | 雑所得 | 分離課税の対象 |
| 税率 | 最大55パーセントの累進課税 | 一律20.315パーセント |
| 適用時期 | 現行 | 2028年1月以降が有力 |
損失の繰越控除が導入される見込み
改正では、税率の引き下げにあわせて損失の繰越控除の導入も検討されています。株式と同じように、損失を最大3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺できる仕組みです。
あわせて、特定の暗号資産同士で損益通算できる制度も設けられる見込みです。これらが実現すれば、損失を出した年の負担を将来の利益で軽減でき、長期で投資に取り組む個人にとって大きな改善になります。いずれも成立前の方針であり、最終的な内容は今後の法案で確定します。
まとめ:仮想通貨の税金は雑所得として総合課税される
仮想通貨の税金は、利益が雑所得に区分され、給与などと合算した金額に累進課税される仕組みです。売却や交換、決済、報酬としての取得など、利益が確定したタイミングで課税されます。給与所得者は年間20万円を超える利益から確定申告が必要になり、税率は所得に応じて最大55パーセントに達します。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 仮想通貨の利益は雑所得として総合課税され最大55パーセント
- 課税は売却や交換など利益が確定したタイミングで発生する
- 2028年から申告分離課税への移行が見込まれている
税金の仕組みと計算方法、節税のポイントまで把握できたことで、余計な不安なく仮想通貨の利益と向き合えるようになります。正しい知識をもとに申告すれば、思わぬ追徴課税を避けながら資産形成を進められます。
仮想通貨の税務処理や事業としての取り組みについて相談したい場合は、お気軽にお問い合わせください。
仮想通貨の税金に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
B2B特化のブロックチェーン・暗号資産メディア「Crypto With」の編集部。金融機関やIT企業の意思決定者向けに、国内外の最新技術トレンドや日本の法規制動向など、導入判断に直結する客観的なデータに基づく信頼性の高い実務情報を発信しています。
監修者
リサーチチーム
「Crypto With」のコンテンツ監修・リサーチを専門に行う調査チーム。国内外の金融規制や暗号資産市場の動向を追う専門家で構成され、データと根拠に基づく客観的な分析レポート、日本の複雑な法規制の解説を提供。金融機関・IT企業の意思決定に必要な情報を信頼性重視で発信します。
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